辻占 #002394

#002394
「それならご存じでしょう。あの狼が空中を走れることを。彼は空を飛べるのです。ただし、自分の足がまだ地面についていると思いこんでいるあいだだけ。足元を見て、そこがどこかを知って、事情を理解したとたん、落ちて地面に思いきりぶつかる」
「そういうのは見たことがあります」
「成功している結婚生活とはそういうものです」
(「ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)」)