辻占 #005461

#005461
猫と別れてお淋しいのですかと、唐突に尋かれた。
「寂しい訳がない。まあ、でも能く判りませんなあ。これを寂しいと謂うのなら、まあそうなのかもしれませんが」
何か、忘れ物でもしてきたような気分ではあった。
(「書楼弔堂 破暁」)