辻占 #005462

#005462
与えられただけの恵まれた境遇を諾諾と享受するには、この時代は窮屈過ぎる。眉間に皺を刻むなり、額に汗するなり顔を泥で汚すなり、いずれそうした鹿爪らしい在り方をしていなければ、快活に笑うことは許されぬのだ。
(「書楼弔堂 破暁」)