辻占 #007338

#007338
会社ではいつものように大量の仕事が私を待っていた。クレーム対応。無茶を言う得意先から笑顔で話を聞く打ち合わせ。ストレスで吐きそうになりながら上司からの嫌味に耐える。際限なく担当範囲が広がっていく仕事に次々と応えつつ、それと同時に、いつ首を切られるかわからない立場でもあるので怯え続ける毎日だ。やめるにやめられないし、降りるに降りられない。いや、思い切れば降りられるのだが、もっと苦しくて痛い人生になるのは嫌だし怖いので仕方なく働いているだけだ。でも正直に言うともう辞めたい。
(「石繭」)