辻占リスト #001520~#001529



#001520
面突き合わせておれば嫌なことばかり、一から十まで気に喰わねえ相手でも、居なくなればぽっかり穴が空くもんだ。
(「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」)


#001521
人に世の中は変えられないんだ。でもな、世の中違えて見るこたぁ出来るぞ。世間てぇのはな、己の外にあるものじゃあない。己の内にあるものよ。過去も未来も、知ってるのは自分だけだ。
(「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」)


#001522
自然は人も含めて自然なのです。人は地球の一部だ。それを恰も自分が神になったかのように覚え違って、滅ぶ獣は保護すべきだと嘯いたり、人が地球を護るのだと大法螺を吹いたりするのは如何なものか。本気で憂えるならば、まず己が滅びれば良いのに、それはしない。
(「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」)


#001523
真実。真理。それが何です?例えばそんなモノがあるのだとして、それを知ることにいったい何の意味があるんでしょう。
(「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」)


#001524
僕にだって人情はあるぞ。
(「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」)


#001525
働かないのはいいのさ。働かないで食えるなら、それはそれで甲斐性でしょ。
(「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」)


#001526
大変だから取り乱しているんだ。普段取り乱さない紳士的な私が取り乱す程大変だと云う認識をしたらどうだね。
(「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」)


#001527
実際――彼の言葉は人を殺し、常識を覆し、不安を呼び覚ますことが出来るのだろう。
(「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」)


#001528
主体と客体は明確に分離出来ない――観測行為自体が対象に影響を与える――正しい観測結果は観測しない状態でしか求められない――だから観察者は観察行為自体を事件の総体として捉えなければならない――
(「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」)


#001529
狡いのはお前だけじゃないぞ。そんなの皆そうじゃないか。
(「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」)