#002810
君のせいじゃないと言われてあたしのせいじゃないなんて思える女はその男のことが好きじゃないのだ。
#002811
別れるときの言葉は正確な呪いのように時間を刻んでいたようだった。
#002812
心配ないのと心配しないのは別の話だろ。
#002813
痛い腹は探られるべきでしょ?
#002814
女ってのはこと恋愛沙汰になると何でああ敏いんだか。
#002815
苦手なものを回避して有能ぶっていたことを、この機会でとことん思い知らされた。
#002816
そろそろ和解してもいいのではないか。
お互い我を張りすぎているのではないか。
#002817
いいのよ、あんたはその鈍いところが辛うじてかわいいポイントなんだから。
#002818
「言われました。僕の芸風の参考にはならないって。確かに今はそのとおりです」
でも、と引っくり返した声は強かった。
「いつか必ずあなたのような役柄を演じられるようになります」
#002819
寝言は目をつむって言うもんだ!