#002968
世界はいろんな不運や罠に満ちていて無作為に誰かを引っかける。引っかかってから誰もが知るのだ、世界が不平等であることを。
それでも自分を哀れむことに耽溺しないで、それは楽かも知れないが決して君を救わない。
#002969
たまにはそういう人間らしいところを見せたほうが周りも安心する。
#002970
私も好きだよ。でもおしまい。
#002971
だが過去を惜しんでも仕方がない。自分は人生を選ぶ機会を得た――いや、与えられたのだ。
#002972
訣別なさったその方が息災であることを幸いに思えますか?
#002973
そういう男に会っちゃうと仕方がない部分はありますよね。
#002974
自分の恋愛はいつも下手だったが、他人の恋の観察は簡単だ。そしてそれは横から見ていて羨ましくなる。――あの気持ちが自分に向いたらどんな感じだろう。
#002975
お前と仲がいい奴はお前が有能だからお前を好きなんじゃないんだよ。お前がいい奴だから好きなんだよ。
#002976
この先の戦いこそが長い。いつまでも自分が最前線にいられるとは思わないことです。
#002977
なぜ人間は、どこまでも自己を規定し続け、それ以外のものや、それ以上のものになろうとしないのか。不思議です。
(「NOVA 5---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)」)