辻占リスト #003130~#003139

#003130
当然だ――と思うのは、世間を甘く見ている。広い世の中には、そこまでされても察しがつかない頭の持ち主というのもいるのである。それが悪いというわけではないが、いることはいるのである。
(「おまえさん(上) (講談社文庫)」)


#003131
こんな安い命でよろしければ、賭けますよ。
(「おまえさん(上) (講談社文庫)」)


#003132
人に頼られ、人を世話し慣れているということは、人と対するとき、つい上からものを見たり言ったりする癖があるということと表裏一体でもある。
(「おまえさん(下) (講談社文庫)」)


#003133
人が何かを為す理由もきっかけも、ひとつとは限らぬ。
(「おまえさん(下) (講談社文庫)」)


#003134
私も女房持ちでございますから、わかりますよ。夫婦だからこそ、それは言えません。
(「おまえさん(下) (講談社文庫)」)


#003135
「人の道を外れます」
「とっくに外れてるよ」
「外れ方が違います」
(「おまえさん(下) (講談社文庫)」)


#003136
「怖い女だったんだなぁ」
「嫌ですわね。女はたいがい、こういうものでございます」
(「おまえさん(下) (講談社文庫)」)


#003137
「のぼせておられたのでしょう」
「惚れるのとのぼせるのは、違うか」
(「おまえさん(下) (講談社文庫)」)


#003138
盗んでまで手柄が欲しいというのは、卑しい人の性です。それを矯める叡智を持ち合わせていなかったのは、重ねて卑しい。
(「おまえさん(下) (講談社文庫)」)


#003139
卑しい性のままに悪事をなすなら、せめて露見ぬようにやるがいい。そうして何が何でも、身を捨てても隠し遂せるがいい。すべてを己で背負うのが、悪は悪なりの筋目というものだ。
(「おまえさん(下) (講談社文庫)」)