#003160
何をどうしたらいいかわからぬときは、学問をするのが一番よろしい。
#003161
「わ、私にはわかりません!」
「うむ、儂にもわからなんだよ。わからんままじゃ」
#003162
それでも、儂は学問をしてよかった。人というものの混沌が、その混沌を解こうとして生み出した学問が、儂にわからぬことの数々を教えてくれた。
#003163
だが、人生は永いということがわからないのが、十七、八の若造なのだ。今、生きているこの場のことしか見えず、今、何が正しくて何が間違っているかはっきりしなければ収まらないのが、若いということなのだ。
#003164
若いってのは、面倒くせえや。
#003165
俺はもう勘弁してもらうよ。持ち前の面倒くさがりが、腹の底から湧いてきた。
#003166
一心同体というのは言葉の綾ではない。共に手を血で汚し、あの二人には絆ができた。
#003167
人は何にでもなれる。厄介なことに、なろうと思わなくても何かになってしまうこともある。
柿になったり、鮑になったり、鬼になったり仏になったり、神様になってみたりもする。
それでも、所詮は人なんだ。人でいるのが、いちばん似合いだ。
#003168
ファンを動かすには、ファンの力を借りるのが一番いい。
#003169
否定されるのも、アイデアを練り直したり、別のアイデアを考えたりするための良いきっかけになる。すぐに「だめ」と言うほうが、「検討しておく」とどっちつかずの返答をするよりもよい。