#003410
あたしにある、みんなに匹敵する武器は知力だけよ。でも何も知らなければ、知力は矢のない弓のようなものでしょ。あたしの武器を奪わないで。
（「死者の短剣 旅路 下 (創元推理文庫)」）
#003411
無言でいるのは悲しんでいないからじゃない。
（「死者の短剣 旅路 下 (創元推理文庫)」）
#003412
きみがいてくれると、いろいろこんぐらがってきたときに、自分が何者で何をしようとしているのか思い出す助けになるんだ。
（「死者の短剣 旅路 下 (創元推理文庫)」）
#003413
世界はおれが夢見ていたより醜かった。もうたくさんだ。うちに帰ろうよ。
（「死者の短剣 旅路 下 (創元推理文庫)」）
#003414
常に面白いことなんかない。それでも常にやる価値がある。
（「死者の短剣 旅路 下 (創元推理文庫)」）
#003415
差別はどの社会にもある。目に見えないから、言葉にされていないからといって、ないと思い込むのは愚かなことだ。
#003416
〈在る〉ものが見えないと言われ、大勢の人間から「放っておけばいいじゃないか」と笑われてしまう世界――。
僕はそんな世界には住みたくない。
何もしないで放っておくことで、世界をそんなふうにしてしまうのは嫌だ。
#003417
でも、何もかもいっぺんには手に入らないんだ。僕は底辺の人間だから……。ひとつずつ、根気よく待つだけだ。まあ、手に入れる前に、人生が終わっちゃうかもしれないけれど。
#003418
どんな職種でも不幸な出来事はあるよ。医者がミスで患者を死なせるように、運転手が事故を起こすように……。
#003419
「衝突が起きるなら、僕はその最前線に出て皆を止めましょう。きっかけを作った者の責任として絶対に逃げない」
「りっぱな考え方だが、衝突の最前線に出れば君はたぶん一瞬で殺されるよ。死者には、その後に続く大混乱の責任など取れない」