辻占リスト #003530~#003539

#003530
人の経歴は個人の努力の賜物かもしれないが結婚は籤のようなもので、しかもその籤を引くのは思春期の終わりか成人になりかけたころの、愚かさと混乱の絶頂期なのだ。まあ、それでいいのだろう。人々に思慮がありすぎたら人類は終わってしまうかもしれない。
(「ミラー衛星衝突 下 (創元SF文庫)」)


#003531
不注意、愚かさ、拙速、無知といったものは、殺人の意図と同じくらい、強力な破壊力になるんだ。
(「ミラー衛星衝突 下 (創元SF文庫)」)


#003532
ぼくはいままで生きてきたあいだに、悲しむべき過ちをたくさん犯したけど……いまこの人生航路をとり換える気にはなりません。
(「ミラー衛星衝突 下 (創元SF文庫)」)


#003533
この種の問題解決は狩りよりは釣りに似ている。ある程度まで我慢強く、心の深みから上がってくるものを待つほか仕方がないのだ。
(「ミラー衛星衝突 下 (創元SF文庫)」)


#003534
しかし人がかえりみなかったということは、この問題のつまらないということには決してならない。
(「科学と科学者のはなし―寺田寅彦エッセイ集 (岩波少年文庫 (510))」)


#003535
かみなりの正体を鬼だと思った先祖を笑う科学者が、百年後の科学者に同じように笑われないとだれが保障し得るであろう。
(「科学と科学者のはなし―寺田寅彦エッセイ集 (岩波少年文庫 (510))」)


#003536
化け物がないと思うのは、かえって本当の迷信である。宇宙は永久に怪異に充ちている。あらゆる科学の書物は百鬼夜行絵巻物である。それをひもといて、その怪異に戦慄する心持ちがなくなれば、もう科学は死んでしまうのである。
(「科学と科学者のはなし―寺田寅彦エッセイ集 (岩波少年文庫 (510))」)


#003537
一日汗水たらして働いた後にのみ、浴後の涼味の真諦が味わわれ、義理人情で苦しんだ人にのみ自由の涼風が訪れるのである。
(「科学と科学者のはなし―寺田寅彦エッセイ集 (岩波少年文庫 (510))」)


#003538
いわゆる頭のいい人は、いわば脚の早い旅人のようなものである。人より先に人のまだ行かないところへ行き着くこともできるかわりに、途中の道ばた、あるいはちょっとしたわき道にある肝心なものを見落とす恐れがある。
(「科学と科学者のはなし―寺田寅彦エッセイ集 (岩波少年文庫 (510))」)


#003539
どうせゆく先に望みがねえんなら、いっそいまのうちに、職を変えるほうがいいんじゃねえだろうか。
(「さぶ (新潮文庫)」)