辻占リスト #003540~#003549



#003540
だめだ、そう思ってくれるのは有難えが、おら、おめえの重荷になるばかりだ。
(「さぶ (新潮文庫)」)


#003541
お客としてならよろこんでお相手をするわ、でも好きか嫌いかという段になれば、だめ、すみません堪忍してちょうだい。
(「さぶ (新潮文庫)」)


#003542
「こんなになるなんて、嫌いよ」
「だろうとも、てめえでもてめえが嫌いになった、勘弁してくれ」
(「さぶ (新潮文庫)」)


#003543
彼自分の中にかたく閉じこもって、外からはなにものも入れまいと思った。世間ぜんたいが敵だ、これを忘れてはいけない。
(「さぶ (新潮文庫)」)


#003544
どんなに悪く酔ったって、酒ならいつかはさめらあ。
(「さぶ (新潮文庫)」)


#003545
おれは自分だけのことしか考えなかったのに、みんなはおれのために、日ごろは仲のよくない者までが力を合わせて、おれを助け出すためにけんめいになってくれた。
(「さぶ (新潮文庫)」)


#003546
おまえが気づかず、また興味がないにしても、この風には秋の爽やかな味がするし、もくせいの花の香が匂っている。
(「さぶ (新潮文庫)」)


#003547
まあそういそぐな、一つのことから次のことへ移るまえに、初めの一つをじっくりと考えぬくんだ。
(「さぶ (新潮文庫)」)


#003548
どう呼んだっていいさ、名まえなんか符牒みてえなもんだからな。
(「さぶ (新潮文庫)」)


#003549
どんなに賢くっても、にんげん自分の背中を見ることはできないんだからね。
(「さぶ (新潮文庫)」)