#003730
「また嘘をつく気だな」
「お、先手を打ったね」
「俺も大人になったからな」
#003731
「でもそんなことして、なんの意味があんの?」
「よくぞ訊いてくれた。じつのところ、意味はないね、まったく」
#003732
騙す私が悪いのか。騙される君が悪いのか――。
#003733
俺はたいへんワガママだが、己のワガママがもたらす苦しみに耐える男だ。己の行いの報いは己で引き受ける――ただし、文句だけは人一倍言わせてもらう。
#003734
世の中、役に立つばかりが能じゃないんだな。
#003735
これができないと我慢できないの!この鼻孔から溢れがちの絢爛たるイメージをどうしてくれるの!憤懣やるかたないのよ!私、脳味噌がもうぱんぱんよ!
#003736
彼はグウタラと日々を過ごして、何の行動も起こさなかった。やる気も湧かなかった。彼は、自分は燃え尽きているのだと、いずれふたたび立ち上がるのだと思いこもうとしていたが、そうではなかった。
#003737
ふだんは一人前の顔をしていても、思いがけず自分の来歴を知っている人間に出くわすと、やすやすと化けの皮をはがされる気がする。
#003738
昼日中から飲む麦酒はすばらしいですよ。
#003739
「信じます」
「とても不思議なことなんですよ」
「私も不思議な目に遭いました。だから信じます」