辻占リスト #004010~#004019



#004010
人間は不思議な生物だ。
捨てたほうがいいとはっきりとわかる事柄が、何よりも強く記憶に刻まれていたりする。
(「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」)


#004011
結局、いつものパターンだった。
ものをわかっている人間が仲立ちし、両者の立場を守ってやるという……
(「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」)


#004012
最初から褒めそやされるのは、一部の特殊な天才だけだ。圧倒的大多数は、自分のふがいなさに泣きながら進んでいくしかないんだ。それが普通の人間だ。焦らずに、少しずつやるといいよ。
(「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」)


#004013
もちろん、彼らだって死ぬのは怖いだろう。でも、だからといって、怯えながら生き長らえようとはしない。魂の自由と引き替えに、己の死を受け入れる。
(「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」)


#004014
おまえを守っているときだけは、世界で一番強いんだ。
(「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」)


#004015
悲しければ泣くのもいい。亡くなった人を、ずっと想うのもいい。だが、いまは、まだおまえに泣いて欲しくない。そもそも、おまえが私のために泣く必要なんて、これっぽっちもないんだ。
(「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」)


#004016
仕事はまだまだ残っている。あんたの負担にならないことをやってくれればいい。ここは、あたしたちに任せておくれ。
(「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」)


#004017
どうしてもだめだというのなら他の者に頼みますが、現時点では、わしらはあなたを第一に選びます。ご一考下さい。
(「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」)


#004018
人生とは、こんなものかもしれない。
物事は、いつだって順番どおりには来ない。
人は、いつも何かに後悔し続けるのだ。
(「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」)


#004019
現場の末端部にものすごい負担をかけて組織の欠陥をカバーさせるというのは、本来、あまり誉められた方法じゃないんです。ガタガタに崩れて機能不全に陥っている組織を、現場の過酷ながんばりだけで延命させてしまうというのは……。それを美談のように語ってしまう風潮を、私はあまり好きになれなくてね。
(「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」)