辻占リスト #004930~#004939



#004930
疲れていた。疲れきっていた。からだじゅうの筋肉が痛い。こんなところに筋肉があったのかと思うようなところまでも痛い。
(「乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)」)


#004931
これほどの高齢ともなれば、死など恐ろしくはなさそうなものだが……なのに、わたしは恐ろしい。愚かな話ではないかね?わたしがいたところは、つねに暗闇だった。ならば、暗闇を恐れることなどはあるまい?それなのに、死んでしまったらどうなるのか、自分のからだから最後のぬくもりが消えたあとはどうなるのか、どうしても考えずにはいられない。
(「乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)」)


#004932
彼女のそばにいてやるべきなのに、彼女に道を示してやるべきなのに、このからだがわたしを裏切る。
(「乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)」)


#004933
目を与えておきながら、永遠に閉じていろ、世界にあふれる美しいものをいっさい見るなと命じるのは、どんなに残酷で狂った神だ?
(「乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)」)


#004934
むしろ、こう問われるべきかもしれません――“未来を予言させてもよいのか”と。それについては、わたしは否とお答えするのみ――扉のなかには、閉めたままにしておいたほうがいいものもあるのです。
(「乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)」)


#004935
「あんたの唇はキスをするたえにあるんだぜ」
「唇は唇だ。どの唇もおんなじだ」
「だから、どの唇もキスをするためにあるんだよ」
(「乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)」)


#004936
だが、祈りは無駄におわった。いつものように、神々は人の祈りになど貸す耳を持たない。
(「乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)」)


#004937
どうだ、誇らしいか?
(「乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)」)


#004938
すべての罪は赦される、されど咎は罰せられねばならぬ――。
(「乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)」)


#004939
まったくもって、女というやつは、われわれ男には測り知れないものがあるな。
(「乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)」)