#005320
人の存在は、統計や確率とは関係なくて、ただ、その「一人」だ。
（「バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)」）
#005321
他人の心配なんてのはな、平和な奴しかしてらんないんだよ。
（「バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)」）
#005322
「すこし違うけど、だいたいそれと同じだ」だいたい、という言葉の存在に、僕は感謝する。
（「バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)」）
#005323
自分の物言いが批判的になっていることに気づき、ああ自分はあの人があまり好きではないのだな、と悟った。
（「バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)」）
#005324
下世話じゃない事柄なんて世の中にあるのかよ。
（「バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)」）
#005325
「怖い」僕は認める。
「そうか、怖いか。どうする」
「でも、仕方がない。そうなることが決まっているなら、お腹に力を入れて、どんとぶつかるしかないよ」
「何だよそれは」
「子供の時に、母親が言ってたんだ」
（「バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)」）
#005326
どうしてこんなに思い通りになるんだろうね。人生って甘いね。
#005327
もちろんその時には言いがかりだと反論したが、案外、一理あるのかもしれない。不運は感染するのではないか。
#005328
「ここで逃がしてたまるかよ。借りは返すからな」
「後で返してくれ。今は仕事中なんだよ。いや、その借りは返さなくていいよ。あげるから」
#005329
大人が黙る時はたいがい、こちらの意見が正しいのだ。