辻占リスト #006920~#006929



#006920
何より恐れていたのは、信義に悖る行いをすることだ。省みて、己を恥じるような行いをすることだ。その恐れがあるからこそ、他人に誹られようが、見下されようが、けっして揺るがぬ人であった。
(「桜ほうさら」)


#006921
二人の女に挟まれた男というものは、この世でいちばん弱くなるのだ。ともかくも事なかれと流されやすくなっての。角を立てず、あちらにもこちらにも甘いことを言ってやろうとするうちに、にっちもさっちもいかなくなる。
(「桜ほうさら」)


#006922
蛙を捕るなら池へ、鯵を釣るなら磯へ行くものだ。的と同じ池におれば、どれほど広い池だろうとも、波紋は伝わってくる。同じ磯におれば、どれほど入り組んだ磯であろうとも、同じ潮が寄せてくる。
(「桜ほうさら」)


#006923
儂がおまえを見捨てるときは、先にそう言うから安心せい。
(「桜ほうさら」)


#006924
金持ちのおこぼれにあずかれるときは、がっちりあずからねえとな。
(「桜ほうさら」)


#006925
儂も怠惰な面倒くさがり屋でな、似ておるからよくわかるのだ。
(「桜ほうさら」)


#006926
来年、自分が二十三歳になったとき、果たして、人の上に立つに相応な人品骨柄と力量を備えているだろうか。
(「桜ほうさら」)


#006927
そういう〈安らか〉はただの暗愚でござる。
(「桜ほうさら」)


#006928
ありそうにないことでも、確かめてみるまでは脇に除けてはいけません。
(「桜ほうさら」)


#006929
子供にやらせようと思うことは、まず自分でやってみせるべし。
(「桜ほうさら」)