#007210
その点では、目の前の女が守ろうとしているものも、確かに自分と同じはずだった。きっとほんのわずかに認識と立場が違うだけなのだ。
#007211
いつだって僕の観客は僕より時間がない。だから気がつけばいつも、最後には僕自身しか観客がいなくなってしまうんだ。
#007212
大きな構図の、外側のさらに大きな構図がわかったところで、いちばん小さな手元の問題が消えてなくなるわけじゃないの。
#007213
何かに責任を負いたいなら、政治家になるのも捨てたもんじゃないぞ。
#007214
どちらに転んでもいけない。この緊張は、綻んでも跳ね飛んでもいけないのだ。
#007215
あなたが背負いこまなくてもいいこともあるのよ。
#007216
私たちも言いたいことはすべて呑みこむことにします。小さな衝突はあるでしょうが、それも含んで、乗り越える。よろしいかしら。
#007217
病院で処方される薬を頼るようになったが熟睡できた例しはなかった。いつも頭のどこかがぼんやりして不快でうんざりし、もっと言えば憔悴していた。
(「十二人の死にたい子どもたち」)
#007218
ルールには形があり、こうしろああしろというのなら、目の前で実際にやってみせるか、図にして説明すべきであり、そうでないものは少女には理解しがたかった。
(「十二人の死にたい子どもたち」)
#007219
確かにこの少年の弁は大したものだ。
だが信用すべきかどうかは別の話だ。この少年は何につけ答えを用意しすぎている、という気がしていた。
(「十二人の死にたい子どもたち」)