辻占リスト #010220~#010229



#010220
――どんな用事であれ、人を集めたら、まず食物と厠の心配をしろ。それ以外のことは後回しでいい。
(「子宝船 きたきた捕物帖(二)」)


#010221
そういう運と幸に憧れ、あやかりたいという願いのなかには、当の本人が気づいていなくても、一抹のやっかみがまじっている。そのやっかみは、小雨の一降りで芽を吹く憎しみの種だ――
(「子宝船 きたきた捕物帖(二)」)


#010222
そうしなければならない切羽詰まった理由があれば、人はけっこう上手に嘘をつく。
(「子宝船 きたきた捕物帖(二)」)


#010223
――だから、嘘をつく者を蔑んじゃいけねえ。俺たちは仏様じゃねえんだから、誰だって嘘つきになる。明日は我が身だ。
(「子宝船 きたきた捕物帖(二)」)


#010224
――この人は、痛みを知ってるからだ。
(「子宝船 きたきた捕物帖(二)」)


#010225
親分が達者だったころに、今みたいなおいらになりたかったよ。悔しいなあ、惜しかったなあって、手遅れなのはわかってるけどさ、思っちゃったんだよ……
(「子宝船 きたきた捕物帖(二)」)


#010226
泣けるのも若いうちさ。歳をくうと、こういう辛いことでは、泣くより先に打ちのめされちまうからね。
(「子宝船 きたきた捕物帖(二)」)


#010227
そんな顔をして、何の役に立とうか。
(「子宝船 きたきた捕物帖(二)」)


#010228
歪んでいようが間違っていようが、長く続いてきたやり方なら、そのままにしておきたい、いじりたくないというのが人の性だから……。
(「子宝船 きたきた捕物帖(二)」)


#010229
もういいや。くっだらねえ人生だった。
(「子宝船 きたきた捕物帖(二)」)