辻占リスト #010320~#010329



#010320
――こんなまっとうなことがつらいなんて、何て幸せなのでしょう。
(「よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続」)


#010321
しぶとい金貸しに幸いあれ。
(「よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続」)


#010322
すべての人間は、各々の読む世界の中に生きている。
過剰な読解は過剰に世界を分岐させる。
(「異常論文 巻頭言」)


#010323
かれらは人類のなかでももっとも人類らしい怠惰さをそなえていた。すなわち、あとで楽するためなら現在のいかなる苦労もいとわない。
(「掃除と掃除用具の人類史」)


#010324
人類らしい怠惰とは、あとで楽をするためなら現在のいかなる努力も惜しまないことである。
(「掃除と掃除用具の人類史」)


#010325
沈黙は何よりの激励である。
(「裏アカシック・レコード」)


#010326
ときおり彼が発狂しているように見えるのは、SFを、そして小説を深く愛しているからです。
(「SF作家の倒し方」)


#010327
本を集めるのは簡単だ、カネさえ払えばそれはできる、しかし集めるだけでは本は内容はわからない、内容をわかるためには本を読まなければならない、本を読むのは大変なことだ。
(「ベケット講解」)


#010328
解けない問題の解答篇にどれだけの需要があるだろうか?
(「ザムザの羽」)


#010329
無茶苦茶だ。気まぐれなつぎはぎだらけの論理。
「そりゃあそうさ。ここをどこだと、わたしを誰だと思ってるんだ」
(「オルガンのこと」)