#010490
けれどそれがいやではなかった。あまりにも簡単に、ひょいっと飛び越えてこられると、逆にどうでもいいかという気になった。
#010491
母からの手紙があった。封書を裏返さなくても、字を見ればわかる。僕の名を幾千回も綴ってきた字だ。
#010492
誰かに殴られたり恨まれたりしても、あらかじめインプットした軌道通りに進んでいく人生より、今の方がいいに決まっている。
#010493
何もなければいい。ずっとずっと、こうやって僕の傍で彼女が笑っている今日があって、明日を越えて、季節を巡って、生活を重ねていければいい。
#010494
泣いたり落ち込んだりしている時間はなかった。僕にとっては生涯でこれ以上ないほどに過酷な夜だとしても、周りの人間にとっては通過点でしかない夜なのだ。
#010495
ふらふらでも動いとった方がいい。今は何か考える隙を与えたくない。
#010496
友達は役に立ったり立てなかったりするもんとちがうで。
#010497
人はね、どんなに悲しいことがあっても、どれほど絶望しても、ひとつの感動や、ひとつの喜びや、ひとつの恋で生きられるの。
#010498
人はね、どんなに悲しいことがあっても、どれほど絶望しても、ひとつの感動や、ひとつの喜びや、ひとつの恋で生きられるの。
#010499
ギャンブルは、手をつけたらアカン金に手ぇつけてからが本番や。