#010820
自分は嘘つきではないか。ここ数年は、真実よりも嘘を話している量の方が多くなっている気がする。
#010821
立ちどまらないことが大事だと本能的に悟っていた。一度止まったら、もう二度と走りだせないだろう。
#010822
昼間から前後が不覚になるほど酒を飲み、幸せだった時代の檻の中に住み続けるだけの人生だ。
#010823
彼女はときどき突発的に泣きはじめて、突発的に泣きやんだ。泣きだす理由には心当たりがあったが、泣きやむ理由には心当たりがなかった。
#010824
同意はできませんが、理解はできます。
#010825
「お前も過去を大事にするのは病だと思っているのか？」
「病かどうかはわかりません。ですが、過去を大事にする者は変化を嫌います」
#010826
毎日酒を飲む理由がよくわかった。酒を飲まなければ、現在と未来という濁流に溺れ、頭がおかしくなってしまいそうだった。
#010827
世の中はわからないことだらけだ。大人たちに聞いても「お前の頭が悪いから、そういうくだらないことが気になるんだ」と言われる。
#010828
しかし彼は失敗に終わった数々の交際から、ひとつの教訓を得ていた。
「人間の見せる聡明さにはまぐれが存在するということ」
#010829
つまりね、一度足が遅いと評判になった者は、不当に追われ続けるってこと。