辻占リスト #001630~#001639



#001630
己が誰よりも偉いと念じる気持ちこそが肝要なのだ。疑ってはいかん。それを疑ってしまったら、拠り所は――ひとつもないのだ。
(「百鬼夜行 陰」)


#001631
実生活の役に立たないからこそ、数学の秩序は美しいのだ。
(「博士の愛した数式」)


#001632
大人には子供の睡眠時間を削る権利などありはしない。人類が誕生して以来、子供はいつの時代でも、眠っている間に育つものなのだ。
(「博士の愛した数式」)


#001633
暑い、暑いと言っているうちに、夏は過ぎてゆくものだ。
(「博士の愛した数式」)


#001634
――普通だ。
何故に、何故これ程までに日常的なのだ。
あまりにも当たり前過ぎてうんざりする。
(「百鬼夜行 陰」)


#001635
「同じことじゃないか」
「全然違います。高足蟹と釜飯くらい違います」
(「百鬼夜行 陰」)


#001636
美というものが悪徳をともなうものなのか、それとも悪徳というのは美しいものであるのかもしれんさ。
(「快楽の都 グイン・サーガ〈110〉」)


#001637
だが、美も快楽も、どちらも死と滅びと恐怖や戦慄とこそ、となりあわせになっているものだよ。
(「快楽の都 グイン・サーガ〈110〉」)


#001638
――自分の取り扱いに、難渋している。
(「家守綺譚」)


#001639
――思い込みというのは恐ろしいな。
――だがとりあえずは思い込まねばな。
(「家守綺譚」)