#002060
体育大学の図書館と同じで、なんとなく必要な気がしたというのもわからなくはないが、使う人などいないのである。
（「さらば愛しき大久保町」）
#002061
必ず次はある。
それはまちがいないが必ず次があるというのと、必ずいつかいい人と巡り会える、というのは違うのでまちがえないように。一生独りぼっちという人もたくさんいる。
（「さらば愛しき大久保町」）
#002062
いっときの幸せは、かえって不幸を招くこともある。
平穏な日常に付加された幸福は、去りゆくときただひっそりと去っていってくれるわけではなく、安らかだった魂の大半を引きちぎる。
（「さらば愛しき大久保町」）
#002063
「あなた相当自分勝手な性格ですな」
「そうかな」
「疑問の余地はないと思います」
（「さらば愛しき大久保町」）
#002064
人間は逃れようのない悲しみの底に突き落とされると、いとも簡単に押し潰され壊れてしまうものだが、誰かの、ほんの些細な思いやりひとつでなんとか強く生きられるのもまた事実である。
（「さらば愛しき大久保町」）
#002065
なんか前にもおんなじように太ってたような気がするなあ。そらデブジャー。
（「さらば愛しき大久保町」）
#002066
たかが女によく見られたいか――男だの。
（「D-魔道衆」）
#002067
おかしければ笑いなさい。哀しかったら泣けばいい。人間が悪いのは、いつも辛気臭いことよ。この世の中には愉しいことがあるのを知らないの？
（「D-魔道衆」）
#002068
お互いの幸せを思いやることこそ、お互いを知りすぎている私たちにとっては一番やっかいな呪縛なのだ。
（「そばかすのフィギュア」）
#002069
「どれだけみんな興奮することだろう！考えただけでも血沸き肉躍るぞ！」
「俺はちっとも血も沸かないし肉も躍らないぞ」