#002410
諸君、異論があるか。あればことごとく却下だ。
#002411
「それで、あの子とは何か進展あったの?」
「着実に外堀は埋めている」
「外堀埋めすぎだろ?いつまで埋める気だ。林檎の木を植えて、小屋でも建てて住むつもりか?」
#002412
まるで、何もかもわからなくなるためにこそ、旅に出たみたいだ。
#002413
今ここにある己を引きずって、生涯をまっとうせねばならぬ。その事実に目をつぶってはならぬ。
私は断固として目をつぶらぬ所存である。
でも、いささか、見るに堪えない。
#002414
じつに、生き方に工夫が足りなかった。
私はなんてまっすぐだったのであろう。
#002415
「無理です。あんたはいかにもそういう顔してる」
「どういう顔だ」
「何というか、有意義な学生生活を送れない星のもとに生まれたというべき顔ね」
#002416
私は綿密に物事を分析して分析して分析し尽くした挙句、おもむろに万全の対策を取る。むしろ万全の対策が手遅れになることも躊躇せずに分析する男である。
#002417
成就した恋ほど語るに値しないものはない。
#002418
存在するか否かが問題ではない。信じるか信じないかだ。
#002419
あいつは確かに底抜けの阿呆ではあるが、腰が据わっている。腰の据わっていない秀才よりも、腰の座っている阿呆のほうが、結局は人生を有意義に過ごすものだよ。