#002620
生きている、と言うよりは、日々をどうにか、こなしていた。
#002621
「たぶん、おまえ以上に、このことを真剣に考えた奴なんて、世の中にいないんだ」
「まあね」
「それなら、他の奴に評価させるなよ」
#002622
死が敗北だと誰が決めた?
#002623
明日考えればいい。今日は何も考えないことだ。
#002624
果たして俺たちは、他の者のことをどれだけ知っているんだろう?
#002625
「嘘に支えられることに価値があるんでしょうか?」
「嘘か本当か、一体誰が判定できるのかしら?」
#002626
今このときほど、それを望んだことはなかった。これほどまでに自分がそれを望んでいたことにやっと気づいた。
(「天地明察」)
#002627
勝負がしとうございます。
(「天地明察」)
#002628
「それは良い。全霊を尽くして誤答を出すがいい」
「そうですそうです。遠慮なく外して下さい」
(「天地明察」)
#002629
どうしてこう、途方もない一大構想を自分に見せつけようとするのか。何か自分に含むところでもあるのか。ついつい本気でそう口にしたくなった。
(「天地明察」)