#002910
人間の中には、少ないパーセンテージではあるが、「遠くに行きたい」という欲求に突き動かされている者がいる。
#002911
彼は常に未来を見つめる男なのだ。
#002912
それともおれはとっくに狂っちゃったのか。
#002913
どうしておれは、おれたちは、こんなにほしいんだろう。なんとかならないのか?
#002914
「……ずいぶんまともなことを言うようになったのね。以前は愚痴と文句ばっかりだったのに」
「そりゃなるさ、いっぺんにこれだけいろいろ経験したら」
#002915
全然強いじゃねえか、おまえ……心配して損した。
#002916
なんかこう、議論が空を飛んでないか?おれたち、とんでもなく無意味なことを話し合ってるんじゃないか?
#002917
だからこそわたしは優等生だった。
#002918
せいせいしたと思っていた。何かを失っただなんて、一度も思ったことはなかった。後悔なんてしたこともなかった。これでもう、何もわたしの邪魔をするものはない、気に障ることもない、これからは生き生きと生きられると信じていた。わたしは何でもできるんだから、自分の望むものなら、どんな夢だってかなえられる、何にだってなれるんだと思っていた。
#002919
あなたの鏡のなかには、何が映るでしょうか。