辻占リスト #003920~#003929



#003920
おそらく彼はただ、これまであまりにも多くを失ってきたがゆえに、ちょっとやそっとで誘惑されることがないだけなのだ。
(「影の王国 上 (創元推理文庫)」)


#003921
それにしても、自分ははたしてまだ正気を保っているのだろうか。
(「影の王国 上 (創元推理文庫)」)


#003922
過ちを認めない者は、それをくり返す運命にあるのだろうか。
(「影の王国 上 (創元推理文庫)」)


#003923
厳格な規則を考えだしてはその右側に立つことにいつも生き甲斐を見出していましたからね。そうでないときは規則を自分の左側におこうとするのですよ。
(「影の王国 上 (創元推理文庫)」)


#003924
その年頃の子供にとっては、世界すべてが等しく謎だったでしょうよ。
(「影の王国 上 (創元推理文庫)」)


#003925
「いえ……お気になさらないでくださいませ。なんでもありませんわ。愚かなことですの」
「愚かかどうか判断するのはわたしにお任せなさいな」
(「影の王国 上 (創元推理文庫)」)


#003926
ですがあの人も歳をとってましになりましたよ。あの頃はまだ青二才でしたからね。そしてわたしもまた、少しはましになったと思っているんですよ。
(「影の王国 上 (創元推理文庫)」)


#003927
ひとつの情熱をともにするとやがてべつの情熱が生まれてくるのでしょう。
(「影の王国 上 (創元推理文庫)」)


#003928
愚かで利用されやすいお方だ。それがある種の人間にとっては理想的でもある。
(「影の王国 上 (創元推理文庫)」)


#003929
信仰などほとんど失くしておりましたわ。神々の存在を信じるのは、その無関心を罵倒するときだけでした。
(「影の王国 上 (創元推理文庫)」)