#005160
――準備というよりは、覚悟はいいかと訊くべきだろうな。
（「みのりちゃんの実験室 世界征服のすゝめ (朝日ノベルズ)」）
#005161
そういう冗談は北千住で言ってくれ。
（「みのりちゃんの実験室 世界征服のすゝめ (朝日ノベルズ)」）
#005162
もちろん本当に答えが聞きたかったからではない。聞かなくても、おおよその見当はついていた。単に、沈黙に耐えきれなくなっただけのことだ。
（「みのりちゃんの実験室 世界征服のすゝめ (朝日ノベルズ)」）
#005163
「お前、今度は、やけに落ち着いてるな？」
「そりゃあもう。――人間、メシさえ腹いっぱい食ってれば、何も心配することはありません」
（「みのりちゃんの実験室 世界征服のすゝめ (朝日ノベルズ)」）
#005164
世の中には、自分自身で、その場に立ち会っていながら、絶対に理解できないことってのが、いくつか存在しているらしい。
（「みのりちゃんの実験室 世界征服のすゝめ (朝日ノベルズ)」）
#005165
あれは本気ね。力いっぱい本気よ。
（「みのりちゃんの実験室 世界征服のすゝめ (朝日ノベルズ)」）
#005166
「うるさい」
「しかし……」
「何も言うな。口をきくな。息をするな」
（「みのりちゃんの実験室 世界征服のすゝめ (朝日ノベルズ)」）
#005167
「何考えてんですか、あのひと」
「お前に言われるようじゃ、おしまいだよな」
（「みのりちゃんの実験室 世界征服のすゝめ (朝日ノベルズ)」）
#005168
おれだって、根が真面目な常識人なんだぞ。それなのに、毎度毎度、こんな馬鹿騒ぎに、つき合わされて……。あー、胃が痛い。
（「みのりちゃんの実験室 世界征服のすゝめ (朝日ノベルズ)」）
#005169
「このままじゃ、おれはダメになる！」
と、男は、考えた。
もう十分ダメになっていると思うが、とにかく男は考えた。
（「みのりちゃんの実験室 世界征服のすゝめ (朝日ノベルズ)」）