#006030
    目的が正しくても、手段に不正があったら、すべてが不正になってしまうのに。悪い奴をやっつけるためなら、その悪い奴がやってない悪いことをでっち上げてもいいの?
            
        
    
    #006031
    どうして、悪い奴がやってる本当の悪いことをこつこつ集めて、立証して、正面から戦わなかったのよ。どうして嘘に頼っちゃったのよ。
            
        
    
    #006032
    「子供を叱るときは、本気出さないとね」
「同じ土俵に乗って怒ることを、叱るとは言いませんよ」
            
        
    
    #006033
    普通、人間たちは誰か別の人間との関係で満足を得ようとするものなんだ。助けあったり、愛情を確認し合ったり、たとえば、優越感や嫉妬といった感情も、生きる原動力の一つだ。
            
        (「死神の浮力」)
        
        
    
    #006034
    けれど、僕たちに備わっていた寛容さはすでに、蒸発している。
            
        (「死神の浮力」)
        
        
    
    #006035
    人間にとって、年齢とは、その人間の品質を表す数値ではない。つまり、年嵩が増しているからと言って、優秀であるとは限らず、それはただの、肉体の、主に、血管や内臓の使用年数に過ぎない。
私の今までの経験からすると、人間の本質は五歳の頃からほとんど変化はない。
            
        (「死神の浮力」)
        
        
    
    #006036
    「仕事が楽しいわけがない」それは私の本心だった。
            
        (「死神の浮力」)
        
        
    
    #006037
    確率や統計とは結局何も意味していないことが多いが、人間は大半のものを、確率や統計によって把握するほかないのも事実だ。
            
        (「死神の浮力」)
        
        
    
    #006038
    「権力者に不都合なことは、公式の記録には残らない」
「え」
「そういうものだ」
            
        (「死神の浮力」)
        
        
    
    #006039
    「まだこの人が海のものとも山のものとも」
「海の幸とも山の幸とも」私は相槌を打つ。
「それは、ちょっと違うけれど」
            
        (「死神の浮力」)