辻占リスト #006500~#006509



#006500
互いに競争心を抱き、切磋琢磨できる、実に貴重な相手だった。
それぞれ今や若手を育てる立場である。遠慮なくそういう思いを抱ける相手はどんどんいなくなってゆくのだから、勿体なくて嫌忌していられないのである。
(「光圀伝」)


#006501
にやりと笑みが浮かんだ。若い頃そのものの獰猛な笑みである。本当に、歳を取れば取るほど、己の本性があらわになっていく気がした。
(「光圀伝」)


#006502
崩壊するはずがないと信じ切っている。だからこそ、わけのわからないところで、あっさり思考を放棄し、平然としていられる。
(「光圀伝」)


#006503
欠けたるを埋め、損なわれしを補うには、そもそも世に何が欠け、何が損なわれているのかを知らねばならない。
(「光圀伝」)


#006504
正しい苦楽をもって、生をまっとうすること。そのすべこそ、大義なのである。
(「光圀伝」)


#006505
謹厳をゆいいつ絶対の美徳とし、緊縮を断行して自ら率先するばかりでは、君主の自己陶酔に過ぎない。苦しむのは家臣であり、部下であり、領民である。ひたすら苦痛を与えるだけの君主では、愚かな暴君と変わらない。
(「光圀伝」)


#006506
未来そのものたる彼らを愛さずして、いかに人の世を愛せるのか。
(「光圀伝」)


#006507
誤った認識に基づいて、正しく相談を持ちかけてきた。
(「悲嘆の門(上)」)


#006508
そんな時間に悩むこと自体が間違いで、とっとと寝た方が気分もさっぱりするだろうに。
(「悲嘆の門(上)」)


#006509
手垢のついた表現には真実がある。だからこそ手垢がつくほど使われるのだ。
(「悲嘆の門(上)」)