#008130
最高のプロパガンダは、往々にして真実なのだ。
#008131
無責任な共感は世界を不安定にする。
#008132
わたしは彼女の言語を理解していたが、彼女はわたしの言語を理解していない――あるいは、理解しようとも思っていない。それがこの世界での力の働き方だった。
#008133
い、いや。おれのことではない。たとえばと、始めに言うたではないか。おまえがそんなことを言うのではないかと思うたからこそ、たとえばとおれは念を押したのだ──
#008134
何とでもぬかせ。どうせ、生きるというのは、死ぬまでにどうおもしろう遊ぶかじゃ。一杯もらうぞ──
#008135
女の幸せなんてもの、どこにもないのよ。あるとすれば、女の幸せじゃあなくて、わたしの幸せなんだから。
#008136
こういうわたしのことを、そのまま好きと言って下さる方がいるのならともかく、どなたかの子を生むために、わたしがわたしでなくなるのなら、一生このままでもいいの──
#008137
その人の意味は、その人が決めるのではない……
#008138
ただ、そこにいる、それだけで、このおれにはありがたい。
#008139
それでよい。
自分の手で奏でなくとも、世界が楽の音をこうして奏でているではないか。