#008190
「なんだか自信なさそうな口ぶりだな」
「ないんだもの、じっさい」
#008191
元気そうに聞こえるようにと心がけてるだけさ。
#008192
才能の代償だね。きみはぼくよりも才能に恵まれている。そのぶん、代償も大きい。
#008193
ことばだけで、どうして相手の気持ちがわかるの？
#008194
「苦悩はつねにそこにあって、ずっと彼を苦しめつづけていたんです。ただそれを表に出さなかっただけで」
「その点は、彼の勝利――ではないのかな？」
#008195
あなたは人といっしょに笑いたいのであって、人を笑いたくはないの。
#008196
でも、それはほんとうのあなたなの？それはほんとうのわたしなの？わたしが完璧な相手でなかったら――わたしが本来のわたしのまま、欠点だらけで、あなたに見せたくないことだらけの人間であったら？それでもわたしを愛してくれる？
#008197
しかし、それは――愛情とはまた別のものです。愛情とは、ずっと強く、ずっと不合理で、怒濤のように押しよせてくる感情なんです。
#008198
悲しい哲学だ。たしかに、涙ではなにも解決しないかもしれない。だが、涙もまた人間の一部をなす。
#008199
理由を述べなければ、理解されることはない。納得できる理由がなければいけない。理由を考え続けなければいけない。