辻占リスト #008290~#008299



#008290
この場を議論で切りぬけるつもりはなかった。ここは論理の出番ではない。
(「シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF)」)


#008291
じゅうぶんに長く生きれば、どんなことでも妥協できるようになる。
(「シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF)」)


#008292
もはや睡眠に倦怠感をやわらげる力はまったくなかったが、それでも眠っているあいだは逃避にはなった。
(「シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF)」)


#008293
手を伸ばして問題を飲みくだす。問題を完全に内面化する。それから試行錯誤で有無をいわさず道を切りひらいていき、世界にはただのひとつも錯誤のほうをさらすことがない。
(「シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF)」)


#008294
押しつぶされそうな容赦ない罪悪感は感じていない、もしそういうことを訊いているのなら。でも、あれがまちがいだったことはわかっている。あのときもわかっていたし、その考えが変わったことはない。
(「シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF)」)


#008295
「もっと芝居がかっていたほうがよかった?」
「最近は得られるカタルシスが少ないほうが、好ましいようだ」
(「シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF)」)


#008296
未来の学生たちは、わたしたちの名前を呪うだろうな。それ以上は望めない名誉じゃないか。
(「シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF)」)


#008297
たがいの必要とするものや動機が相手にとってどれほど異質でも、時間と、忍耐と、動機づけがあれば、理解できないままに終わるものは――たがいの一生や、習慣や、言語を含めて――なにひとつない。
(「シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF)」)


#008298
「きみはどうして、いつもほかのだれよりも遠くまで行かずにはいられないんだ?」
「あなたはどうして、いつもほかの人のあとに付き従わずにはいられないの?」
(「シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF)」)


#008299
大人というのは、他人からすべてを聞き出そうとしたりしない。よほどの場合でなければ。
(「天冥の標X 青葉よ、豊かなれ PART1 (ハヤカワ文庫JA)」)