#008350
「だけども、人は気分で景色を見ますからね」
気分によっては、曇り空が心地よいこともあれば、晴天が悲しいこともある。
#008351
俺も一緒に考えてやる。
いや、考えさせてくれ。
#008352
面憎いじゃないか。幸せそうでよかったけれど、ちっといじめてやりたい感じもする。まったくもう!
#008353
知らぬ存ぜぬも知恵のうち
#008354
世の中がすっかり自分の手のひらの中に入っているような気がするんですよ。
#008355
罪を問われるならば、それがしにも思い当たる節はある。現世を生きる衆生ならば、誰でも同じだ。何ひとつ覚えがないと言い切る者こそ、自ら恃むこと強く、驕り高ぶる罪をおかしているのではなかろうか。
#008356
それをひっくり返して、自分の思うようにできるツキを引き戻す刹那が嬉しいんです。負けが込めば込むほどに、勝ちにまわった時の心地といったらあんた、天下をとったようだった。
#008357
自分は何ものにも替えがたい、全てを見通す力を持った男だと感じる。私はそういう気分にこそ耽溺していたんです。
#008358
知らぬが花よ、と言った。
「知らねば、思い出すこともなかろう。迂闊に口にのぼせることもなかろうよ」
#008359
しかし、信心とは、その対価に何かを得るためのものではないということは心得ておる。