辻占リスト #004080~#004089



#004080
よく目立つのは愚行ばかりだ。おそらく賢い行いというものは、それが賢いほど、後から見えなくなっていくのだろう。
(「天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)」)


#004081
全同胞が挙げて推進している大事業に、誰がひとり抗し得ようか。
(「天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)」)


#004082
胸がわくわくするような、大事件のはずなんだ。それなのにおれたちは、目の前の仕事に煩わされて、全然驚けないでいる。
(「天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)」)


#004083
同情の余地のない敵というものを作り上げて、全力でそれとぶつかれたらどんなに楽だろう。
(「天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)」)


#004084
土作りみたいなものかしらね。それ自体はなんの収穫も生まない。でもなくてはならない。
(「天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)」)


#004085
耳を貸すか貸さないかの判断ぐらい、私たち自身でするべきではなくて?
(「天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)」)


#004086
仕方ないか、嘘をつけるほどのんびりした状況じゃないしね。
(「天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)」)


#004087
惚れ惚れするくらいに大人げがなく、いっそのことああいう大人になりたい、と思ったのを思い出す。
(「グラスホッパー (角川文庫)」)


#004088
「あんたも永遠に、通行人に声をかけているつもりはないんでしょ」
「そりゃまあ」と曖昧に返事をした。「永遠って、長いですし」
(「グラスホッパー (角川文庫)」)


#004089
生贄を差し出されると、理屈に合わなくても、それ以上責めるのが面倒臭くなる。
(「グラスホッパー (角川文庫)」)