辻占リスト #005040~#005049



#005040
今はまだ、わからなかった。
予兆なんて、たいていそんなものだ。
(「小暮写眞館(下) (講談社文庫)」)


#005041
「いいかい?あたしら勝ちにいくよ」
オレ、何でかこういうタイプの女に縁がある――
(「小暮写眞館(下) (講談社文庫)」)


#005042
――芸術は人を待ってくれないけれど、人は芸術を待つことができます。
(「小暮写眞館(下) (講談社文庫)」)


#005043
だろ?と訊かれた。それでも黙っていたら、
「ここは〈うん〉と言うところだ」
(「小暮写眞館(下) (講談社文庫)」)


#005044
オレも逃げてたし、あんたも逃げてた。逃亡者は、どっかしら似ちゃうんだよ。
(「小暮写眞館(下) (講談社文庫)」)


#005045
女は息子を持つと、若いときの自分がしたことを、そっくりやり返されるんだわよ。
(「小暮写眞館(下) (講談社文庫)」)


#005046
それは取り越し苦労というより、飛び越え苦労のレベルだ。
(「小暮写眞館(下) (講談社文庫)」)


#005047
――普通のヒトたちだ。
そう思った。
げんなりするくらい、普通だ。頭に角が生えているわけではなく、口が耳まで裂けているわけでもない。
(「小暮写眞館(下) (講談社文庫)」)


#005048
どうしても知ってもらいたいと思う。けどね、それを知ってもらったら、もうそれまでのような距離ではいられない、ということがあるんだよ。
(「小暮写眞館(下) (講談社文庫)」)


#005049
――あたしはとっくに走り出してる。
あんたこそ、走れ。
(「小暮写眞館(下) (講談社文庫)」)