辻占 #000985

#000985
真実の物語を聞くと、その体裁や証拠とは無関係にピンとくるものがある。たとえ無骨な語り口であっても、真実を愛する者はやはりその話に引きつけられるだろう。見るからにでっちあげ臭いものであっても、やはりいくばくかの真実があると確信することもあるだろう。なぜなら、いくらうわべがほころびだらけでも、真実を否定することはできないからだ。
(「ゼノサイド〈上〉」)