辻占リスト #010050~#010059



#010050
感情を封じこめるのにはいいところもある。十分な期間、深く感情を封じこめていると、じきに何も感じなくなるような気がするのだ。
(「アメリカン・ゴッズ 上」)


#010051
真実と、お客がききたがってることはちがうでしょ。
(「アメリカン・ゴッズ 上」)


#010052
わしはもう若くはないが、これだけはいえる。小便をする、何か食う、三十分眠る──その機会を与えられたら、ノーというな。わかるか?
(「アメリカン・ゴッズ 上」)


#010053
しかし、そう信じこむこともできなかった。何かを信じるのに必要なのは、自分の感覚だ。世界をみるのに使う道具、つまりは視覚、触覚、記憶だ。そうした感覚に裏切られたら、何も信じられなくなる。
(「アメリカン・ゴッズ 上」)


#010054
画家のジャクソン・ポロックを思い出した。なぜなら、ジャクソン・ポロックのことを考えていたほうが、現実を受け止めるより楽だからだ。
(「アメリカン・ゴッズ 上」)


#010055
会って二、三分もたたないうちに、この人と話すときに自分に期待されているのは、なるべくしゃべらないことだと判断したのだった。
(「アメリカン・ゴッズ 上」)


#010056
もし神から才能なり技能なりを与えられたなら、それを最大限に使う義務がある。きみもそう思わないか?
(「アメリカン・ゴッズ 上」)


#010057
学者というのは、意外な事象については語るが、ありえない事象については語りたがらない。
(「アメリカン・ゴッズ 上」)


#010058
女は夫を失っても生きのびるが、男は──とくにあのじいさんのような男は──つれあいを亡くすと、そう長くは生きられないものだ。
(「アメリカン・ゴッズ 上」)


#010059
ほんとうに危険なのは、何をしているにせよ、自分たちのしていることが唯一無二の正しいことだと信じているやつらだ。人間はそう考えたとたん、危険になる。
(「アメリカン・ゴッズ 上」)