辻占リスト #010090~#010099



#010090
きっとみんな、自分の身に起きたことのない出来事は、目の前で起きていても見ることができないのでしょう。
(「白昼夢通信」)


#010091
おれは日常的に嘘をつく。それは自分にそう思い込ませるためでもある。
(「調律師」)


#010092
ここに帰ってきてようやく思い出した。心臓の鼓動と音楽が合っている。――人間には音楽が必要なんだ。
(「調律師」)


#010093
いいから放っておいてくれ、見てわからんかもしれないが、俺はいま仕事中なんだ。
(「エレファントな宇宙」)


#010094
ワルさってのはな、独りでやるよか、誰かと一緒にやった方が面白いんだぜ?
(「メタモルフォシスの龍」)


#010095
彼女はいつだって自分の喋りたいことばかり喋る。誰と向かい合っているときだって、相手のことなんか碌に見ていない。だからこそ、気安い。じろじろ見られないっていうのは、それだけで楽だ。
(「メタモルフォシスの龍」)


#010096
けれども、わたしには判らない。わたしの適所って、何処だろう?
(「メタモルフォシスの龍」)


#010097
ただ。ただな、無駄だなんて云わないでくれよ。
(「メタモルフォシスの龍」)


#010098
他人の噓は何だってお見通しのくせして、ほんとう、彼女は噓ばかりつく。根っからの噓つきだ。
(「メタモルフォシスの龍」)


#010099
人っちゅうのはそういうもんで、先が暗ぁなって『おわり』の三文字がいざ見えてくるまでは、明日もお天道様拝める思とるもんです。
(「止まり木の暖簾」)