#010250
遠く、高く、羽ばたいていく大切な人を、ただ見送ることしかできないのは、やっぱり辛い。取り残されて、置いていかれたような気持ちになってしまうから。
#010251
いるんだよなあ、どこにいても、誰といても、核になっちゃうような人間って。パワフルで、努力家で、太陽みたいに光り輝いてて眩しいんだ。どういうわけだか、俺はそういう女と縁があるらしいよ。
#010252
それは嬉しいな。一人でがんばるより、二人でがんばるほうがきっと、倍がんばれるよ。
#010253
皆、心配だと言ってくれるその舌で、私の不幸をじっくりと嘗め回している。甘く美味しく味わっている。自分が発する〈可哀想〉という言葉に、酔いしれている。
#010254
立ち止まり、立ちすくみ、後ろむきに過ごしていれば、時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。
#010255
うすうす気づいていた。実は私は大した人間じゃないんじゃないか、と。
#010256
幸せのハードルが低すぎるよと、切なくなった。
#010257
私はそんなに親切じゃないから。どのみち彼女には届いてしまうだろうから。
絶対絶対、教えてあげない。
#010258
きっと私はとても薄情な人間なんだろう。たくさん可愛がってもらった。愛されていたという自覚もある。なのに物理的な距離が、そのまま心の距離となってしまった。
#010259
広く浅く皆と仲良くなるのが、学校生活を送る上で一番楽だと私は思う。