#011050
しかし泳げなくちゃ魚のことがわからないというわけでもないし、星を見分けるのに自分で光る必要はない……。
#011051
造物主は器を酷使し、そのあげく使いものにならなくなると捨て去って新しい器を手に入れるものだ。
#011052
無益な仕事が人の心を暗くするのだ。子を育てる母の喜び、学者の喜び、獲物に恵まれた猟師の喜び、腕のたつ料理人の喜び、熟達した職人の喜び、誰であれ必要な仕事を立派に果す者の喜び──この持続性のある喜びは、おそらく人間の情愛と社会性のもっとも深い根源であろう。
#011053
あの頃のあたしときたら、みんなと違ったふうになりたくてなりたくて。なんでだったのかしらね?
#011054
全員にいきわたるだけの物資がある時に分ち合うのはたやすい。たとえ、かろうじていきわたるだけしかない場合でも。しかし、それだけのものもない時は?その時は圧力が介入してくる。力が大手を振ってまかり通るようになる。権力と、その道具である暴力と、そして権力のもっとも親しい盟友であるところの見て見ぬふりをする目と。
#011055
だが彼はこれで己れの著作を、愛を、子供を手放した。人間はいったいどれだけのものを手放せと要求されればすむのか?
#011056
子供がやりたいと希望することと、社会がその子に求めることとは必ずしも一致せぬ。
#011057
頭脳を使う人間の仕事は、一つの真実を、もう一つの真実を犠牲にして否定するのではなくて、二者を包括し、結びつけることにある。それは容易ならざる仕事であった。
#011058
あなたは逃げることはできても隠れることはできない。
#011059
なんぴとといえどもわたしが到達したいと希望しているところまで行こうという考えのない人にはわたしを止める権利はありません。