辻占リスト #011290~#011299



#011290
彼女は言った。楽しいことだけでなく、煩わしいことも窮屈なこともある。気まずいこともある。そういう澱を漉して上澄みを思い出にするのも人生の訓練だよね、と――
(「物語の種 」)


#011291
若者や子供たちがこの疫病で奪われたあれこれの喪失感は、大人は決して理解してやれない。理解できると言うのは傲慢だ。
(「物語の種 」)


#011292
思い入れを持っている人がたくさんいるのは知っています。やると決まったんなら無事に開催されるといいなあ、くらいは思います。
(「物語の種 」)


#011293
死にかかったことで、魂の形がちょっとだけ変わった。このまんまじゃいけないと思うことがあったのだ。
(「気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三) 」)


#011294
何か大事が起ころうと、人は飯を食うし湯茶を飲むし、厠に行く。当たり前のことだ。変事や難事のときこそ、当たり前への気配りを忘れるなよ。
(「気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三) 」)


#011295
考えたってしょうがねえ。それより働け!
(「気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三) 」)


#011296
考えろ、考えろ。
直視できない、難しすぎる。
(「気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三) 」)


#011297
いやらしい目で見たことはないが、ものの言い方を間違えたら、そう信じてもらえなくなってしまう。
(「気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三) 」)


#011298
男でも女でも、まっとうで真面目な者ほど、金の話になると恥じ入るもんだ。
(「気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三) 」)


#011299
こういうところもある。不親切ぶって、優しくないふりをするのだ。
(「気の毒ばたらき きたきた捕物帖(三) 」)