辻占リスト #002570~#002579



#002570
この結婚は、自分のなかの死への恐れをも新たにしたのだろうか。
(「死者の短剣 遺産 (創元推理文庫)」)


#002571
彼女が大事だという気持ちは、日々、がんばらないと保てなくなってきていた。
(「私の男 (文春文庫)」)


#002572
なにごとも起こらないように。時が平和に過ぎるように。そう考えながら料理を続ける。
(「私の男 (文春文庫)」)


#002573
身内しか愛せない人間は、結局、自分しか愛せないのと同じだ。利己的で、反社会的なそれらは、豚みたいに生きていくしかないんだ。
(「私の男 (文春文庫)」)


#002574
「ただのお話だったの?」
「ただのお話なら、どうだっていうの?」
(「野に出た小人たち (岩波少年文庫)」)


#002575
まだ欲しい、と、もう要らない、しかないんですよ。俺……。飽きちゃうしねぇ……。
(「私の男 (文春文庫)」)


#002576
でもさ、欠損のない人間なんていませんよ。
(「私の男 (文春文庫)」)


#002577
死に別れても、だから、それは別れじゃないんだ。自分のからだに血が流れてる限り、人は、家族とはぜったいに別れない。
(「私の男 (文春文庫)」)


#002578
がんばらなくても手に入るもののために、誰も、がんばらないだろ。
(「私の男 (文春文庫)」)


#002579
わしは、ただしかった。そして、そんときただしかったとすりゃ、いまもただしい。
(「野に出た小人たち (岩波少年文庫)」)