辻占リスト #003020~#003029



#003020
世界が思ったものと違っていて、それで動揺するなんてわがままな子供みたいだな。
(「NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)」)


#003021
脳が明晰であることはただの利便性しかもたらさない。自己ではなく他者にしか意味をなさない。
(「NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)」)


#003022
横柄で、人に命令するのに何の疑問も持っていない人間に特有の口調だ。要するに不愉快の一語に尽きた。落語家だったら「不愉快の国から不愉快を売りにきたような」男というんじゃないかな。
(「NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)」)


#003023
「冗談のつもりはない。笑わせるつもりもない」
「どんなつもりならあるんだよ」
「どんなつもりもない」
「人はどんなつもりもなしには生きていけねえ」
(「NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)」)


#003024
要するに歳をとるというのはいつもパンツを濡らしているということなのだろう。身も蓋もない言い方になるが、やむをえない、そもそも人生というやつが身も蓋もないのだ。
(「NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)」)


#003025
「昔、中国の宮廷に利口すぎるオウムがいた。いろんなことを訊きすぎた。オウムのくせに好奇心が強すぎたんだな、そのオウムがどうなったか知ってるか」
「知るか」
「おれも知らない。誰も知らないんだ。この話の落ちは、いろんなことを訊きすぎるオウムのことは訊いちゃいけない、というものなのさ」
(「NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)」)


#003026
おれはどうしようもないろくでなしだが、それだからこそ何より大切にしなければならないものがある。
(「NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)」)


#003027
おれには数えきれないほど美点があるが、あいにくそのなかに謙虚さは入っていない。おれは得意満面になっていたはずだ。
(「NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)」)


#003028
いずれにせよ、彼にはあれこれの欲も、同時にまた絶望も縁がなかった。
(「グイン・サーガ・ワールド2 (ハワカヤ文庫JA)」)


#003029
おれはいつだって、最も理性的にふるまうだけなんだが、ただ多くの場合、そうすると人はおれの苦労も知らんでおれを極悪人のように云うんだ。実際、悲しいね。
(「グイン・サーガ・ワールド2 (ハワカヤ文庫JA)」)