#003030
こやつらは、世界を丸ごと所有しているのだ。少なくともその気分なのだ。
#003031
ひとがせっかく楽しくやっているのに、どうしてそんなにイジワルにケチをつけるんだろう。自分のほうがうまいって、思い知らせたいんだろうか。そんなに難しいことば、そんなにたくさん、俺の頭には、詰めこむところなんかないのに。
#003032
……そういう一切合切に、いまのいままでうすらぼんやり鈍感で、まったく気付きもしなかったということが、こうなってみると我ながらまったく信じられなかった。いったんそうと勘づけばいたって単純なことなのに、わかりやすく、目の前に大きな文字ではっきりとかいてあるようなものだったのに。
#003033
不意の来訪に備えるということは、すなわち、不断の準備が必要ということである。
#003034
苦手なことほど何度でもやってみるべきところを、なんとか避けて通ろうとするというか、うまくごまかして、もっと得意なことで補おうとなさってしいまいますね。
#003035
まるでうぶな恋人同士のようでした。照れていて、ぎごちなくて、でも、いかにも別れがたくて。
#003036
叱る役と、甘やかす役は、別々に割り振っておくほうがいい。
#003037
家族がみなそばにいて、元気で、平和で、穏やかに、仲良く睦まじく暮らすことが、ほかにどんな望みがあろう?
#003038
隠し事のある人間はどうしても饒舌になるのだ。
#003039
わしは父上より受け継いだ、この運任せの稼業がいやでいやで仕方がない。