#003370
……いまのおれには、まわり道なんて、ないよ。どれが最善の未来につながっている道なのか、わからないもの。
#003371
身体が傷を治そうとするみたいに、心もさ、傷を閉じようと、いろんな言いわけを見つけだしてくる。
#003372
だけど、わたしは、そういう……あんたを楽にしてやれる言葉を、かけてやれない。
#003373
……おまえの魂、おれが拾ってやる。ここまできたら、おまえが仕掛けた大勝負の結末、見とどけたいからな。
#003374
なんだなんだ。……ぶっそうな面の見本市でもやってるのかい。
#003375
運命の風向きというものは、わずかに変化させただけで、つぎつぎと大きな変化を生みだすものだ。その波を、共に起こそうではないか。
#003376
聞く耳もたんやつは、ほっておけってか?……わしは、いやだね。首根っこつかんででも、助けだしてやるさ。
#003377
疲れていた。深い疲れが、身体を闇に溶かしていく。悪夢を見ているのだとわかっていても、目をさますことができなかった。
#003378
生きてもどっておいで、へぼ弟子。伝えたいことが、まだ、たあんと残っているんだ。
#003379
しかし、すでに打ってしまった一手をくやんでも、勝利にはむすびつかない。勝つためには、すばやく、この状況を逆転できる手を打たねばならない。