辻占リスト #005520~#005529



#005520
嫌な奴である。お互い様だが。
(「虚言少年」)


#005521
「まるで呑み込めないのだが、それは俺の頭が悪い所為なのか?」
「いや、オレもわからんな。オレも頭が悪いようだぞ」
(「虚言少年」)


#005522
「あのな、知らなきゃ否定も出来ねーよ」
「そうかもしらんが」
「盲信するのと愛好するのは別だ」
「そうかもしれんが」
(「虚言少年」)


#005523
「何がどうしてどうなった」
「いや。話せば長い」
「短く話せ」
「えー」
どうせ大したことではないのだ。
(「虚言少年」)


#005524
中心人物になるなかれ。
(「虚言少年」)


#005525
不明瞭な言語は時に明瞭な言語の力に圧倒される。時にその意味や、人の記憶さえ塗り替えてしまうものである。
(「虚言少年」)


#005526
不快な現実として、「全員」にあてはまることは自分にも当然あてはまる。
(「偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)」)


#005527
興味深いことや、劇的なことや、悲惨なことが起こるたびに、われわれは無意識のうちに説明を探す。だが、出来事があってはじめて説明を求めるせいで、「起こってもおかしくはなかったが起こらなかったこと」よりも、「実際に起こったこと」の説明に偏りすぎる。
(「偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)」)


#005528
この本が成功した理由を説明するよう頼まれた出版社は、こう答えたという。
「よく売れたのはたくさんの人々が買ってくれたからです」
(「偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)」)


#005529
コンピューターシミュレーションはすぐれた洞察をもたらしうる有用な道具であるが、とどのつまり、それは現実の実験よりも思考実験に近いし、だから疑問に答えるよりも新しい疑問を引き出すのに向いている。
(「偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)」)