辻占リスト #006940~#006949



#006940
人を恨むと、くたびれますもの。
(「桜ほうさら」)


#006941
人は目でものを見る。だが、見たものを留めるのは心だ。人が生きるということは、目で見たものを心に留めてゆくことの積み重ねであり、心もそれによって育っていく。心が、ものを見ることに長けてゆく。
(「桜ほうさら」)


#006942
まあ、こういう話は勝手に広がって、忘れたころになってひょっこり返りがくることもありますからね。
(「桜ほうさら」)


#006943
わからないことに直面したときには、焦ってはいけない。わからぬものを強いてわかろうと、いきなり魚を捌くようにしてしまえば、わからなかったものの本体がどこかへ逃げ去ってしまう。
(「桜ほうさら」)


#006944
人の心は揺れ動くものだし、何かの拍子にころりと変わることもある。明け方にはこれが正しいと信じていたものが、夕べには色あせて見えることもあるんじゃないか。
(「桜ほうさら」)


#006945
飯を食っては寝て、また起きては飯を食って寝る。そのことだけに追われ、生きたまま一寸刻みに死んでゆくような日々に、背けばおまえの命はないぞと迫られるような一幕は、血湧き肉躍る快事でござろう。
(「桜ほうさら」)


#006946
――皆、それぞれに不遇なのか。
(「桜ほうさら」)


#006947
この稼業には拗ね者がいる。今の暮らしに飽き足らぬ者がいる。心にひび割れを持ち、身に隙間風を覚えながら暮らしている者がいる。
(「桜ほうさら」)


#006948
誰でもいつかは死ぬんだよ、若造。難しいのは、それまで食っていくことの方さね。食って寝て、起きたらまた食って呑んで酔いつぶれるのさ。
(「桜ほうさら」)


#006949
俺の人生など反吐のようなものだ。
(「桜ほうさら」)