辻占リスト #007020~#007029



#007020
「でも一方で、だからこそ、とも思うんです」
「だからこそ?」
「埋め合わせができなくて苦しいのなら、埋め合わせちゃいけないんじゃないか、って。それが罰なんですよね。楽になるようなことはしちゃいけない。苦しい状態でいなくちゃいけないって。だけど、俺、やっぱりつらいです」
(「サブマリン」)


#007021
今必要なのは速度でございます。
(「大江戸恐龍伝 一 (小学館文庫)」)


#007022
銭のことを考えていたら、どこにも歩き出せなくなってしまいますからね。
(「大江戸恐龍伝 一 (小学館文庫)」)


#007023
これは、ひとつの話に、三月、四月、ことによったら一年もかけているだろう。あるひと文字を、別の文字に変えた方がよいかどうか、そういうことに、二日も三日もかける。そういうことのできる才というものがある。
(「大江戸恐龍伝 一 (小学館文庫)」)


#007024
これでよいではないか。
いつまでも、同じことをやっていたら、他のことができなくなってしまうではないか。
そう思う。
しかし──
そうは思うものの、
“うらやましい”
そう考えている自分がいる。
(「大江戸恐龍伝 一 (小学館文庫)」)


#007025
自分は奇想する──あとは、その奇想を誰かが現実化すればいい。
(「大江戸恐龍伝 一 (小学館文庫)」)


#007026
新しいことをやりたがらないというのは、この国の何という悪癖であろうか。
(「大江戸恐龍伝 一 (小学館文庫)」)


#007027
これからは、知恵はやめにしていただきたい。貴君の敵は知恵です。今は理屈を言っている時ではなく、やる時です。
(「大江戸恐龍伝 一 (小学館文庫)」)


#007028
頭の中で、幾つもの思考がたて続けに生まれ、それがまた次の思考を生みながら増殖してゆくのが見えるようであった。
(「大江戸恐龍伝 一 (小学館文庫)」)


#007029
もののわかる人間は、話が早えってえことさ。初っから、こうすりゃよかった。役人やら何やらは、ものがわからないばかりか、話も遅くっていけない。あんたみたいな人間が、役人の中に何人かいるだけで、この日本はもっと風通しがよくなるだろうになあ。
(「大江戸恐龍伝 一 (小学館文庫)」)